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経済指標 解説

米CPI

インフレ動向を測る代表指標。FOMC の利上げ判断に直結するため、ドルストレートが大きく動く。

正式名称
米国 消費者物価指数 (CPI)
発表機関
米国労働省 労働統計局
発表頻度
毎月10〜15日頃 21:30 JST
影響を受ける通貨
USD/JPY, EUR/USD, XAU/USD

FOMC の方向を決める「インフレ温度計」

米国消費者物価指数(CPI)は、米国の生活物価の上昇率を月次で測る指標です。 FRB が政策金利を決める際に最も重視する指標群のひとつで、発表結果が次回 FOMC の利下げ/利上げ判断を直接動かすため、ドルストレート全体が大きく反応します。

発表時刻は日本時間 21:30、月の中旬。雇用統計の翌週〜翌々週に来ることが多く、 FOMC との距離が近い月は特にボラが大きくなります。

3つの数字をどう読むか

① 総合 CPI(Headline CPI)

食料品・エネルギーを含む全体の物価上昇率。 ニュースで「インフレ率○%」と報道されるのはこの数字です。 ただしエネルギー価格の影響が大きく、短期のブレが激しいため、 FRB はこれだけで政策判断しません。

② コア CPI(Core CPI)

食料品・エネルギーを除いたコア指標。 FOMC が最重視する数字のひとつで、 ここがコンセンサスから 0.1〜0.2% 乖離すると ドル円が 30〜60pips 動きます。

③ スーパーコア CPI

コアからさらに住居費(Shelter)を除いた、サービス価格中心の指標。 住居費は遅行性が強いため、これを除くことで「現在のインフレ温度」が見えるという考え。 パウエル議長が会見で言及することが増えており、機関投資家が注目し始めています。

過去のドル円反応パターン

コア CPI が予想を 0.1% 上回ると、ドル円は買いで反応する確率が高い。 ただし「上回ったが住居費が原因」と判明すると、 発表後30分でリトレース(戻し)が入ることがあります。 このため初動だけで判断せず、内訳の解説(Bloomberg や WSJ)が出るのを 15〜30分待つ価値があります。

逆に予想を 0.1% 下回ると、ドル売り(円高方向)になりやすく、 利下げ期待が高まるため米債利回りも下落、株は上昇という典型的な 「ディスインフレ反応」が起きます。

私の取引方針(8年実戦)

基本は雇用統計と同じで、発表5分前〜発表後30分はノーポジです。CPI は雇用統計より初動の戻りが緩やかなので、 「30分待ち」がちょうど良い目安。

ただし、CPI の特徴として発表後3〜6時間でトレンドが続く確率が高いという性質があります。NY 時間の引け(朝5時 JST)まで方向が同じ、 というケースが雇用統計より多いです。これは利回り市場が ゆっくり織り込みを進めるため。

この性質を利用して、発表後 1〜2 時間経過し、 押し目・戻り目を待ってから半分のロットで参加する ——という運用が私の中ではしっくり来ています。

FOMC との距離で重要度が変わる

CPI 発表日が FOMC の 7日以内に来る場合、 FOMC の利上げ/利下げ確率に直接影響するため、 通常月の 1.5〜2倍動くと考えてください。 逆に FOMC 翌週の CPI は反応が鈍くなる傾向があります。

やってはいけないこと

  • 総合 CPI だけ見て判断する(コアと逆方向の動きが普通にある)
  • 事前ポジション保有(前日からのスプレッド拡大も読みづらい)
  • 発表後1分以内の急変動を「方向確定」と判断する
  • 翌日まで持ち越し(CPI 後はパウエル発言などの二次的ノイズが多い)

「数字の意味」を理解する側に立つ

CPI トレードで継続的に勝てる個人は、価格の動きを当てているのではなく、FRB がその数字をどう解釈するかを当てている側に立っています。前者は運、後者は知識。 知識は積み上げられるが運は積み上げられません。

最初は数字の意味だけでも追ってみてください。 3ヶ月続けると、自分の中に「市場が驚くポイント」のセンスができてきます。

米CPI を「待てる」自分になる。

指標の数字を読むことと、その瞬間にトレードを「しない」判断は別の技術です。あなたのリスク許容度と手法に合わせて、イベントへの向き合い方を一緒に設計します。